コンタクトセンター向けプラットフォームなどを展開するZendeskが、AI機能をさらに強化している。同社が2026年5月に米国で開催した年次イベント「Zendesk Relate 2026」で、新たなビジョン「自律型サポートワークフォース」を発表。セキュリティ/ガバナンスを担保した上で、企業がコンテキストを踏まえて応対を自動化できるよう支援する方向性を示した。
その前提を踏まえて、同年9月17日に製品開発 CS製品担当シニアバイスプレジデント 兼 統括部長のジョン・アニアノ(Jon Aniano)氏が、日本の記者向けに詳細を語った。同氏は特に「特化型」を重視していると強調する。
「Zendeskは20年近くにわたって、カスタマーサービスと従業員向けサービスのユースケースに100%フォーカスしてきた。過去の蓄積を反映したインテリジェンスレイヤーは顧客体験に特化している。それによって、真のカスタマーサービスの課題解決を実現できる」
自律型サポートワークフォースの中核を担うのが、次世代カスタマーサービスプラットフォーム「Zendesk Resolution Platform」である。社内システムと連携し、コンテキストとワークフロー、ガバナンスを統合。自社のビジネスガイドラインに基づき、AIエージェントが応対をエンドツーエンドで自動化する。同プラットフォームでは、すべての顧客対応データを分析し、Zendesk AIが継続的に学習する仕組みだ。自動で改善サイクルが回ることで、品質が向上されていく。このサイクルを「Resolution Learning Loop」と呼ぶ。
Resolution Learning Loopを土台にした次世代エージェントとして発表されたのが、特化型AIエージェントだ。具体的な機能は次のとおり。
業界特化型エージェント
特定業界における主要な共通業務に対応するよう開発されたAIエージェント。小売・EC業界から提供を開始し、向こう半年から1年の間に金融、メディア、エンターテインメント、ヘルスケアなど、対応範囲を順次広げていく。たとえば小売業界向けには、ShopifyやNarvar、Stripe、Riskifiedといった主要システムと連携することで、顧客のリクエストを理解し、適切な情報を抽出して自律的にアクションを実行する。Riskifiedとも提携し、リスクインテリジェンスをECの業務プロセスに直接統合。これにより、不正や不当な申請リスクを低減しつつ、返品・返金・交換の判断を下せるようになる。
なお、業界特化型AIエージェントは、近日中に早期アクセスプログラムが開始される予定だ。日本語対応については一般提供時に行われ、2026年中に開始される見通しとなっている。
カスタムエージェント
Zendeskのプラットフォーム上で、特定のタスクを実行するAIエージェントを企業自身が構築できる。すでに、返金判定エージェント、画像・PDF処理エージェント、不正検知エージェントなどが活用企業によって構築されている。構築においては、AIエージェントが担う業務範囲や利用できるシステム、実行できるアクション、人による承認が必要な場面をそれぞれ定義することが可能だ。また、イベントやスケジュールに応じて能動的にAIエージェントを動作させることもできる。
カスタムエージェントの早期アクセスプログラムはすでに開始済みで、日本語にも対応している。正式サポートは一般提供時で、2026年中に開始される予定。
また、こうした次世代AIエージェントに加えて、MCPクライアントの一般提供も発表された。Zendesk上で動作するAIエージェントやCopilotが任意のシステムにアクセスし、MCPを通じて活用するツールやアクションを判断できるようになる。そして、次のフェーズとして数ヵ月以内にMCPサーバーのリリースも計画しているという。これにより、外部のAIエージェントシステムがZendeskにアクセスし、動作することが可能となる予定だ。
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