SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

Inside AIdiver 最前線の声でAIの“今”をアップデート。

【動画】400年続く百貨店が語るAXの現在地 大丸松坂屋が見据えるAIと人で創る“おもてなし”の未来

大丸松坂屋百貨店 林 直孝氏インタビュー

  • Facebook
  • X
  • note

販売員の「なぜ買わなかったか」を集合知にする

押久保:接客そのものにAIを活かしているベストプラクティスはありますか。

林:ある小売企業さんの取り組みが非常に良いと思っています。アパレルの販売現場で、お客様が「買わなかった理由」を販売員さんが接客後に音声でアプリに吹き込むんです。

 忙しい現場ではテキスト入力はハードルが高いですが、音声なら30秒から1分程度で済みます。その音声データをクラウドAIで解析・テキスト化して集合知にします。それを見た商品開発部門が「デザインは好評だが素材が不評」という傾向を掴み、次のシーズンに素材を変えて販売したところ大ヒットしたそうです。

押久保:個々のスタッフの暗黙知が、生成AIによって集合知に変換されていくわけですね。

林:そうです。生成AIの能力を使うことで、人がやらずに短い時間で、労力をかけずに集合知化されて共有できるデータになっていきます。百貨店業界で言うと、外商のスタッフが集めた声を集合知化するような使い方が考えられます。こうしたことが広がれば、顧客満足度の向上に直結するAI活用になるはずです。

ロボットが働きやすいビルを設計する時代へ

押久保:その先に、フィジカルAIやロボットと販売員が協働する未来が見えてきますが、見通しはいかがですか。

林:2019年の渋谷パルコオープンの際にロボットを導入して、特定のフロアでお客様のご案内を実装した時期がありました。しかし直後にコロナ禍に見舞われ、運用の普及を断念し一旦休止しています。現在は生成AIの進化により、正確にお答えする能力は格段に上がっていますので、これからが本番だと思っています。

押久保:「ロボットが働きやすいビル」という発想も生まれてくるわけですね。

林:そうです。RFIDを活用した在庫管理で、以前はスタッフがハンディスキャナーを持って読み取っていた作業をロボットに自動化させようと共同開発をしたことがあります。ショップ内の在庫読み取りは精度が高かったのですが、倉庫が課題でした。

 ロボットが通る通路がなかったり、奥の商品までスキャンできなかったりするんです。つまり、ロボットに在庫管理を任せるなら、倉庫の設計段階からセットで考える必要があるということです。こうしたハードルはありますが、生成AIとロボットが組み合わさるフィジカルAIの機運は確実に高まっています。

次のページ
ABテスト型はAIへ、共感型は人間へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
Inside AIdiver 最前線の声でAIの“今”をアップデート。連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

押久保 剛(AIdiver編集部)(オシクボ タケシ)

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年にスタートの「MarkeZine」立ち上げに参画。2011年4月~2019年3月「MarkeZine」編集長、2019年9月~2023年3月「EnterpriseZine」編集長を務め、2023年4...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • note
AIdiver(エーアイダイバー)
https://aidiver.jp/article/detail/441 2026/03/23 09:00

広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

アクセスランキング

アクセスランキング

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング