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避けられない人口減少 コスモが考える“あるべき姿”
博報堂DYホールディングス CAIO 森正弥氏(以下、森):ここまで何度か「安定操業」とおっしゃっていました。ホルムズ海峡を巡る動向が注視され、再封鎖の可能性や通航をめぐる駆け引きなど、エネルギー企業への地政学的影響は大きいはずです。CDOとしてやるべきことは増えましたか。
コスモエネルギーホールディングス CDO ルゾンカ典子氏(以下、ルゾンカ):私の専門性とエネルギー業界に身を置く社員の方々の専門性は、少し違うと思っています。地政学的影響への対応は、私よりも優れた専門性を持つ方が行っています。そのため、私がすべきことは、彼らがエネルギー企業として不可欠な仕事に集中できる環境を作り上げること。そういう意味では、DXが進んだことによるメリットは大きいです。
たとえば、中東情勢の緊迫によって、原油やさまざまなマーケット指標が刻々と変わっています。一般的には、その変化する状況を把握して報告が上がってくるのを待ってから対応を議論するでしょう。それが今は、ボタン一つで全員が同じ画面を見て、状況を即座に把握できるわけです。上司が部下に報告を求める必要がなくなり、会議のあり方そのものが変わりました。意思決定のスピードも上がっています。
トラブル時の対応も同じです。以前なら、判断のためにまず現場を見に行かなければなりませんでした。今はアラート一つで異常を検知し、そのまま確認して具体的な対応を決められます。「会話の入口が変わった」と、現場の社員自身が話してくれます。
森:DXを通じて、チームとして一体となっているように思えます。
ルゾンカ:私もそう実感しています。どうしても、日本の人口減少は現実的には避けがたいと予測できます。現場で働く方の人数も減るでしょう。それでも、安全と安定操業を担保した上で、私たちのビジネスは続けなければならない。そう考えると、やはり当社が構築を推進しているデジタルツインやAIを組み合わせて、効率化していくしかないのです。
リモートで作業する社員が異常に気づいたら、すぐ現場の担当者に伝えられる。働く場所が違っても、全員が一体となって動ける環境が必要です。今後は外国籍のスタッフも増えるかもしれませんが、デジタル技術があれば言語の壁も超えやすくなります。
森:オンボーディングもスムーズになりますね。社員同士のサポートもしやすくなると感じました。
ルゾンカ:そうですね。最初に知っておくべき安全に関する知識などをデータとして蓄積しておけば、熟練の技術者が減っても、誰かがリモートでアドバイスできる。それが今後のあるべき姿だと思います。
