現場にとってDXが遠い存在だった3年前……アンケートで見えた変化
森:さまざまな取り組みを進め、その状況や効果も分析されてきて、現場社員だけでなく経営層にも変化はありましたか。
ルゾンカ:私も含めて生え抜きではない役員は少数ですが、それをプラスに考えると、既存のやり方をきちんと理解したうえでチェンジマネジメントができるともいえるのです。実際、役員を含めた全社員がデジタルという武器をもって動き始めたことは、今までのアンケート結果からも見えています。
アンケートでは、「当社のDXと聞いて思い出す言葉を挙げてください」という質問を入れています。当初の結果では、何も書き出せない方もいるなど、社員がDXを遠い存在に感じているとわかりました。それが、この3年で回答の傾向が変わっていて、今では明確に言語化してくれる方が増えています。たとえば、「Microsoft Copilot」「デジタルツイン」「VR」といったキーワードが出てくるようになりました。

森:DXに関して、社員の中でも明確に言語化されるようになったことは大きな手応えですね。組織としての変革の重要性が共有されている証左だと思います。では、新たに発表された第8次連結中期経営計画の目標達成に向けて、次はどのような取り組みを進めていくのでしょうか。
ルゾンカ:まず、私たちデジタル関連部門だけでAXを推進することは難しいと考えています。社員にとっても、身近な人が相談相手のほうが動きやすいでしょう。そこで、デジタル担当者を各部署から選出し、設置することにしました。この3年はとにかくガバナンスを整え基盤を作る中央集権型でしたが、今は各社・各部署も主導権を持つ分散型へ変わりつつあります。
一方で、私を含めたデジタル部門が担うことは、人材育成や全社のオーケストレーション、モダナイゼーションといった大規模プロジェクトのサポート、サイバーセキュリティへの対応強化です。
森:ガートナー社が、ビジネスにおけるAIの活用スタイルを2種類に分けて、「エブリデイAI」と「ゲーム・チェンジングAI」という言い方をしていました。まさに、その組み合わせですね。
ルゾンカ:たしかにそうですね。私自身、エブリデイAIを市民開発や業務へのAI実装という形で推進してきました。とはいえ、日々行っている業務をなるべく効率化する、かつ生産性を上げるために何をどう変えるべきかは、現場の皆さんにしかわかりません。それこそ、社員の方々にはエブリデイAIとしてチャレンジしてほしいと思っています。
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